相続手続きの流れ

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相続手続きは時間がかかるものであり、かつ期限の定められた手続きがあることにも留意しなければなりません。
専門的な知識やノウハウが必要とされる手続きもあるため、早めに専門家に相談してみると良いでしょう。相続の発生前のご相談が理想的ではありますが、実際に相続が発生した場合にはお早めにご相談ください。

相続手続きの全体的な流れ

1相続の発生(被相続人の死亡日)
相続手続きの期限の基準となるのも被相続人が亡くなった日です。
相続手続きは四十九日の法要が終わってから開始するという考え方もありますが、その際に親族が集まってすぐに遺産分割協議ができるとも限りません。
このため現在では、相続発生後すぐに手続きを開始することも珍しいことではなくなっています。

遺言書の有無の確認

2遺言書の有無の確認
遺言書の有無によって、その後行うべき手続きが変わってきますので、まずは遺言書の有無を確認します。
公正証書遺言であれば、日本公証人連合会の遺言書検索システムでの検索が可能です。自筆証書遺言の場合は、まずは自宅などから探します。
遺言書が見つかった場合は、有効性の確認も行います。開封はせず、家庭裁判所での検認手続きを行います。検認の結果「無効」と判断される場合もあり、「無効」となった場合は遺言なし、ということになります。
3相続人の調査・確定
遺言書がない場合、遺産を相続できるのは法定相続人となるため、民法第900条に定められた法定相続人を確定します。
法定相続人は、被相続人の戸籍謄本を過去に遡り順に収集することで確認していきますが、必要な書類の収集などに想像以上に手間と時間がかかるため注意が必要です。

相続財産と債務の調査

4相続財産と債務の調査・確定
預貯金・株・不動産・ゴルフ会員権などのプラスの財産だけではなく、住宅ローンや借金などの債務すべてを一覧化し財産目録を作成します。
マイナスの財産が多い場合(債務超過)には相続の放棄も検討する必要が出てきますが、相続の放棄ができるのは相続があったことを知ってから3ヶ月以内という期限があります。
被相続人が生前に財産目録を作成していたり、相続人が相続財産について詳しく把握していることはあまりありません。そうした観点からも、相続財産の調査・把握には早めに着手する必要があります。
5相続方法の決定
法定相続人は、相続財産と債務をすべて相続する「単純承認」、プラスの財産の限度においてのみマイナスの財産を相続する「限定承認」、相続財産の一切を相続しない「相続放棄」のいずれかを選択します。
「限定承認」と「相続放棄」の場合は、自分が相続人になったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所での手続きが必要となります。期限内に手続きをしない場合は、自動的に「単純承認」となります。

準確定申告

6準確定申告
被相続人が死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに行う確定申告です。
なお、被相続人が前年分の確定申告をする前に死亡した場合は、前年分と本年分の準確定申告両方が必要となり、いずれも相続開始を知ってから4ヶ月以内に行う必要があります。
7遺産分割協議(相続人同士による話し合い)
相続人と相続財産の確定後、相続人全員による話し合い(遺産分割協議)を行い、法定相続人の納得がいくように遺産を分けます。なお、遺産分割協議では、法定相続人すべての合意が必要ですが、一度に集まることが難しい場合など、必ずしも全員が集まらなくても、電話などで参加することも認められています。
遺産分割協議後は、内容を正確に残すため「遺産分割協議書」を作成するのが一般的です。「遺産分割協議書」は、相続手続きを進めるにあたり契約書・証明書の役割を果たすとも言えます。

相続税の申告

8相続税の申告・納付手続き
遺産総額が基礎控除額を上回る場合や相続税の特例などの利用をする場合には、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に、全相続人が相続税の申告・納付をしなければなりません。
遺産総額が基礎控除額以下の場合は、申告は不要です。

よくある質問

相続税はすべての財産にかかるのでしょうか?
墓地・墓石・仏壇、相続人が非課税枠内で受け取る保険金・死亡退職金などの非課税財産があります。判断が難しい場合には、お気軽にご相談ください。
相続税申告で注意しなければいけないことはありますか?
生前贈与については注意する必要があります。
例えば、預金口座の名義人と実際に預金をしている人が異なる名義預金については、税務署による税務調査でも厳しくチェックされ、相続財産として評価されれば相続税の課税対象になります。
相続税がかからなければ、相続申告は必要ないのでしょうか?
配偶者の税額軽減や小規模宅地などの特例など、特例を受けるためには相続税を申告することが要件となっている制度もあります。特例が適用されれば、相続財産の課税価額が基礎控除内となるため相続税の申告は不要であると考えていると、税務署から申告漏れを指摘される可能性がありますので注意が必要です。
不動産や預金・株式などの名義変更はどのような手続きをすればよいのでしょうか?
相続財産により手続きが異なります。当事務所では、提携している司法書士などの専門家を必要に応じてスムーズにご紹介させていただくことが可能ですので、まずは最初の窓口として当事務所にご相談ください。
相続税の申告が間違っていました。払い過ぎた相続税は返してもらえますか?
相続税の過払いは、相続遺産の中に財産評価の難易度が高い土地が含まれているケースで起こりやすいものです。相続税の還付請求を受けたい場合「更正請求」という手続きをすることができますが、相続税の申告期限から5年以内という期限があるので注意が必要です。

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